超高齢社会

日本の人口の高齢化は年々進行しています。平均寿命の延びを反映して高齢者率は伸び続け,2015年には26.7%となりました。「4人にI人が高齢者」の時代なのです。人口の高齢化や疾患の多様化が進むにつれて摂食嘸下障害が顕在化し,歯科医療の分野でも注目されることとなりました。
 「摂食嘸下障害」とは,脳血管疾患や脳腫瘍術後の後遺症,頭頚部腫瘍の手術や放射線治療後の後遺症,パーキンソン病やALSなどの神経疾患などにより,「機能的・器質的問題によって生じる摂食嘸下機能の障害」のことをいい,その症状は「咀噌や嘸下の困難感」「食事時あるいは食事後の咳き込み」「食道通過不良による胸部の違和感」「食欲減退による食事時問の延長」「体重減少」「栄養不良」「肺炎発症や誤嘸・窒息」など多岐にわたります。2011年,日本人の死亡原因の第3位に肺炎が浮上しました。その90%以上は高齢者であることから,高齢者の増加が深く関係していると思われます。そして,その肺炎の原因の多くが,摂食嘸下障害を伴う誤嘸性肺炎であることから,自分自身の症状を自覚したり訴えたりすることのできない認知症を有する高齢者では,体力や免疫力の低下に加えて,常に摂食嘸下機能の低下に対して注意を払う必要があります。



お問合せ

web予約